齋藤 優太 Yuta Saito
ハイボルテージ・スケートボーディング 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)
CFP®︎認定者
一種外務員資格(日本証券業協会) 公益社団法人 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
今回のスクスクでは、スケートボード事業「ハイボルテージ・スケートボーディング」の代表 齋藤優太さんにインタービューを実施。証券会社、建設コンサル出身で、スケートボード事業の他にも、独立系ファイナンシャルプランナー、金融セミナーの講師、Webメディア運営など多彩なキャリアを持つ齋藤さんがめざす、”古き良き”コミュニティづくりについてその想いに迫ります。

スケボースクールの成り立ちと現在の活動
大沢:
まず、齋藤さんご自身の紹介と、運営されているスケボースクールの概要を教えてください。
齋藤:
「ハイボルテージ・スケートボーディング」というスケートボードスクールの代表をしており、坂戸市の住吉中学校近くにある「ズンチャカスケートパーク」という屋内スケートパークを借りて、毎週日曜日 年中~小学生の子どもたちを対象にレッスンを行っています。(時間は、9時、10時、11時、13時、14時、15時の6コマ構成)
ここ2年間はさまざまな活動場所を転々としていましたが、来年(2027年)からは川越に自前の室内パークを設け、平日も活動し、対象も中学生まで拡大する予定です。
大沢:
それだけ広げられるということは、需要もそれなりにあるということですね。
齋藤:
学校の部活動地域移行の流れもあり、うちのスクールにも部活動の受け入れについて何度か打診をいただいていましたので、そこにも応えられる体制を作りたいと思っています。

子ども、親、スクール、三方良しが特徴のスクール運営
大沢:
ハイボルテージのスクールの特徴はどこにありますか?
齋藤:
一番の特徴は、「とにかく超初心者がメインターゲット」であることですね。うちに来るこどもたちは、本物のスケートボードを見るのは初めて、という子も多いです。そこで「立つところから丁寧に教えます」という徹底的なボトムアップのスタンスをとっているのが特徴だと思います。
スケートボードには「オーリー」というジャンプ技があります。スケボーの定番技である一方、この習得が最大の壁となりがちで、8割の人がここで挫折すると言われています。ところが、多くのスクールは“オーリーができる前提”だったり、オリンピックもめざすような本格志向なため、初心者にはハードルも高く続けづらいんですね。
でも、そこに行き着く前にスケボーの楽しさをぜひ知ってほしい。だからこそ「立つことから丁寧に」をモットーにしています。
また、我々のスクールはゴール(卒業)が明確なのも特徴です。
・自治体や民間のスケートパークにひとりでデビューできる
・本格的な上級スクール(オリンピックを目指すような)に進める
このどちらかです。そこまで到達したら、晴れてうちは“卒業”です。
大沢:
誰でもスケボーに入りやすい雰囲気にしてもらえるのは、親としてもとてもありがたいですね。
齋藤:
はい。それから、クラブの運営、マネジメント面でもいくつか特徴があります。
1つは料金がいわゆる”月謝制”ではなく“チケット制”というところです。月額費・入会金が無いので、好きなときに気軽に来ていただけます。「毎週来れなくてもOK」というのは保護者の方にも好評ですし、運営側としてもこちらの都合で中止せざるをえない場合、「今日は中止です」と連絡するだけで済みます。振替授業など煩雑な管理が不要なのは運営側としても効率的なんです。
大沢:
確かにそれはお互いにメリットがありますね。チケット制にすると、気軽に行けて結局はまとめて買いたくなります。
齋藤:
その通りで、子供が楽しんでくると2コマ、3コマと連続で受けてくれるようになり、結果的にスクールの収益構造としても良い循環が生まれています。

スケボーを通じた自分を知る“きっかけづくり”
大沢:
スクールだけでなく、齋藤さん自身の経歴もとてもめずらしいですよね。ぜひご自身のキャリアについても教えていただけますか?
齋藤:
私は2016年に水戸証券(プライム上場)に入社して5年間ほど営業をしていました。その過程で、FP1級、CFP、証券アナリストなどの資格も取得しています。そんな中1つの大きな転機となったは、鶴ヶ島営業所時代の上司との出会いです。営業として非常に優秀で、特にマネジメント面が素晴らしかった方でした。
その方から色々指導を受けるうちに、私自身も新人や若手を指導する立場になったのですが、そこである共通点に気づくようになりました。それは、仕事で成果が出せていない人は「能力不足」なのではなく、「自己分析の不足」に起因しているのではないかということです。
そして、自分自身が “良い出会い” により能力開花できたように、人が成長するには何かの”きっかけ”がとても重要であると思うようになり、「子どもたちには、もっと早いうちに“きっかけ”を与えてあげたい」という気持ちが強くなりました。
大沢:
本当に共感しますね。社会人になってから得られる体験は、もっと早いうちに体験すべきですよね。
齋藤:
私はこうした人が多いのは今の義務教育の仕組みに原因があると思っています。義務教育は公平が原則ですから全員が同じようなレベルに達するよう指導していくのがセオリーです。当然一人一人に寄り添った指導はしづらい、よって個々の自己分析能力が育ちづらい。
一方、スポーツや学外の関わりの中で“きっかけ”をもらって成長する子もたくさんいます。何がその子のきっかけになるかは、人それぞれ。だからこそ自己分析をできることが重要であり、スケボーを通じてその“きっかけの場”を作ろうと思ったんです。
大沢:
スクール運営の理由はそういうことだったのですね。しかし、きっかけづくりが目的なら、他のスポーツでもよさそうですが、なぜスケートボードだったのでしょうか?
齋藤:
元々は証券会社で勤めていたキャリアを活かして、子ども向けのお金の授業や金融を学ぶためのカードゲームなどを作って事業化を予定していました。しかし、それだけでなく別なアプローチもしたいなと思った時に、友人にスケボーが得意な仲間がいたこと、当時は2020年東京五輪を控えた時期だったのもあり、再びスケボーが流行する未来が見えていました。
こうした要素が相まってスケボーからまずは始めてみた、というのが経緯ですね。金メダルを獲得した堀米雄斗選手のようなスターの存在もあり、ビジネス的な視点ではマーケットの規模も確実に増えると思っていた、というのもスケボーを選んだ1つの理由です。

「上から教えない」指導スタイルと、コミュニティの力
大沢:
子どもたちと接するうえで、どんなことを大切にされていますか?
齋藤:
うちのスクールでは“先生と生徒”という関係性にはならないようにし、「スケボーが上手な近所のお兄さん・お姉さん」という距離感で接するようにしています。実は私自身はスケボー初心者で、上手な子どもたちに普通に負けます(笑)。
だからこそ、子どもたちとフラットに喜んだり悔しがったりできる。先生と生徒という関係性を押し付けなくても子どもたちは賢いので、話を聞いてほしい場面だけ声色を変えてスイッチを入れると、自然と「聞くモード」に切り替えてくれるようになるんです。
大沢:
面白いですね。しかし、スクールというと、どうしても先生と生徒という関係性を期待する親御さんも多いのではないですか?
齋藤:
確かにそういう期待値はあります。ですので、私たちのスクールでは初回に親御さんにもスクールの方針を丁寧に説明し、コミュニケーションをたくさん取るようにしています。親御さんの教育方針により合う合わないはやはり出てきますが、うちのスクールで続けて頂ける方々は、自然と保護者同士も仲良くなり、「●●君できたじゃん!」「すごいね!」と他の子も一緒に褒めてくれるようになります。
これは昔ながらの“地域で子どもを育てる”風景に近い感覚がしていて、とても大事な要素だと思っています。またこうした雰囲気づくりがあるためか、うちのスクールでは親御さん同士で自主的にイベントを企画してくれることもあり、スクールがコミュニティとして自立的に発展していく好循環が生まれています。ハイボルテージはいわば、子どもだけでなく親にとっても憩いの場であり、つながる場所なんです。
大沢:
まさにコミュニティの力ですね。子どもたちのコミュニティが減少傾向のなかで、こうして”みんなで子どもを育てる”という文化が自然に生まれているのが良いですね。
齋藤:
はい、むしろうちのスクールは親御さんが作ってくれていると言っても過言ではありません。勝手に口コミでどんどん子どもたちを呼んでいただけるのはありがたい限りです。これができるのは、親御さん同士が自分の子だけでなく、他のお子さんにも我が子のように接してくれるコミュニティの力そのものだと思います。
スケボー×金融×コミュニティで作る未来
大沢:
最後に、齋藤さんがめざす今後の展望を教えてください。
齋藤:
まずは川越に自前のスケートパークを作ること。そして、SNSをしっかり運用し、本格的に集客もしていきたいと考えています。
もう一つ大きいのは、親御さんへの金融面でのサポートです。教育資金、保険、家計、投資など、私のFP知識を使ってスクールの“福利厚生”的な位置づけで、困りごとへの無料相談なども今後していきたいですね。
スケートボードと金融を掛け合わせた取り組みなんて日本には多分無いと思ってますので、だからこそ私はそこに可能性を感じています。スケボーだけでなく、金融の知識なども総動員して、子ども・親・地域が一緒に成長できる場所をつくっていきたいですね。












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