「不登校」を捉え直し、「学校に行かない」を認め合える社会に。

不登校

(株)weclipが主催する『気軽に教育を語り合う場~コエドカフェ~』で、先生と保護者が「不登校の是非」について話し合いました。今回のスクスクではその内容を一部抜粋してお届けします。

全国の不登校の現状

コエドカフェを始めるにあたり、まず参加者のみなさんと不登校の現状を共有しました。そもそも不登校とは「年間30日以上の病気や経済的理由によらない欠席」と定義されています。また、小中学校の「不登校児童生徒」の数はここ数年増加傾向にあり、2020年度にはついに20万人に達し、過去最多を記録しました。要因としては「無気力・不安」が最も多く、次いで「親子の関わり方」「友人関係をめぐる問題」が挙げられますが、大きく分けると以下の7つのタイプに分類されます。

「母子分離不安型」「情緒混乱型」「混合型」「無気力型」「人間関係型」「ストレスによる神経症を伴う型」「発達障害・学習障害を伴う型」

学校に行かせることが正解ではない

上記のような現状を受けて、不登校に対してどんなことを感じてらっしゃるか参加された先生方に伺いました。

北海道の中学校の先生は「無理やり学校に行かせる必要はない」というご意見でした。日本ではあまり認知されていませんがホームスクーリングという学校に通学せず、家庭に拠点を置いて学習する方法やN高に代表されるインターネットと通信制高校の制度を活用したネットの高校もあるので、「大切なことは学校に行くこと以外にも選択肢を作ることではないか」というお話をしていただきました。

また、東京都の小学校の先生は教師として子どもたちに学校に来てもらい、楽しい思い出を一緒に作っていきたいという純粋な思いはもちつつも、「学ぶ場は学校でなくてもいい」というご意見でした。子どもたちの学び方は多様化しています。「学校で学ぶことだけが「学び」ではないので、その子その子にあった学び方を教師も保護者も模索していく必要がありますよね。でも、本音だと子どもたちに学校に来てほしいと思っています。」と正直な心内も話していただきました。

不登校は自分と向き合う時間

「親として自分の子が不登校になったらどうしますか」という最後の問いに対して、保護者からは「学校での情操教育も大事だとは思うけど、無理に行かせたくない」という意見が多くありました。

一方、教育を受けさせる義務はありますが、学校に行くことは義務ではないはずで、「学校に登校することが前提になっている風潮がいまだにあるように感じる」と話していた保護者の方もいらっしゃいました。

現状、不登校はどうしてもネガティブなイメージがありますが、

・「自分と向き合う時間、自分自身の醸成時間」とポジティブに捉えていきたい
・そもそも「不登校」という言葉が後向きなので、もっと前向きに捉えることができるような言葉に変えていきたい

というように、不登校の在り方を捉え直す動きもあっても良いかもしれません。

教育をもっと気軽に語り合いませんか?

(株)weclipでは、約2週間に1度のペースで先生方と保護者との間で教育に関する素朴な疑問や悩みをテーマに語り合う「co-ed Cafe」を開催しています。

学校の先生と保護者との接点が少ないことは大きな課題です。

地域により異なりますが、1クラス30人以上を受け持つ先生は多く、一人一人の親と丁寧に会話する時間の確保が難しいのが実情です。また昨今では先生の働き方改革や、コロナにより先生と保護者の接点はますます少なくなるばかりです。

学校、保護者、地域とのコミュニケーションが少なくなりがちな今だからこそ、子どものために、そして私たち自身のため、是非気軽に教育について語り合いませんか。

皆様のご参加をお待ちしています。
https://weclip.jp/

co-edCafe共通フッター

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
西田 雅史
2010年4月〜東京都内公立小学校にて勤務。初任者の頃、『作家の時間(ライティング・ワークショップ)』と出合い、子どもたちが学びを展開していくワークショップのとりこになる。2021年7月、共著『社会科ワークショップ〜自立した学び手を育てる教え方・学び方』を出版。子どもたちが学習のコントローラーを握り、自立して学んでいく姿をどの教科でも実現しようと日々奮闘中。モットーは「徹底的に子ども目線」。まずは子どもの目線まで降りて、子どもたちの声に耳を傾けることを大切にしている。