【LGBTQ+】自分にできることからSDGsを考える

教えるのは教員だけではない

大沢:
みことさんのその行動力の秘訣を是非教えてください。

島袋:
「これをしたい」というのを周囲の人に言うことですね。同級生、大人関係なく口に出していうことが大切だと思います。そして、そこに学力は関係ない。私の話は、そうした知識が邪魔をしない、型にはまらないところがあるからこそ、大人は面白がって聞いてくれるのではと思います。

私は、人にはそれぞれ役割があると思っています。

例えば、学校現場では先生がどう教えたらいいか不安なまま、環境問題やLGBTQ+のことを教えています。学校現場でも先生の長時間労働やうつなどが社会問題になっています。残念ながら、学習指導要領にLGBTQ+の記載はありません。カリキュラムのたった1時間のために先生が時間を費やすのは難しいと思いますし、指導しようと思っても、何からすればいいかわからないのではと思います。だったら、自分のような人や地域の人が学校と連携して子どもたちに伝えていくのが近道だと思うんです。

大沢:
これからは教員の方だけで教育をする時代ではないですよね。SDGsやLGBTQ+をとっても、教えるべきことは幅が広いし深い。だったら、教員だけでなく、保護者や職業人など大人みんなで子どもと関わっていく、そういう社会にしていければいいですよね。

島袋:
子どもたちにも多様な特性があるなかで、学習指導要領が一つなのはどうなのかなとも思います。そして、教える人もそうですし、教本、教科書ももっとより良くできると思います。LBGTQ+のことをまとめた本も、まだまだわかりづらいものが多いのが実情です。それでは先生も教えられるわけがない。なので、今後はそうしたわかりやすい教科書作りにも携われたらと思っています。

教科書は出版社が作る、そして教えるのは教員だけ、ではなくて、様々な人が得意分野を持ち寄って、助け合って教えていくことが大切なのではと思います。

社会問題に目を向ける前に、自分に目を向ける

島袋:
また、SDGsの正しい講座づくりも今後やっていきたいと思っています。 SDGsウォッシュ(※3)という言葉も出てきており、環境活動家の中では問題視されています。例えば、土にかえるプラスチックも多くの人が誤解しており、使い終わったらゴミ箱に捨ててしまうんですね。悪気がなくともそれでは意味がないのですし、正しい情報に触れられていないことが問題です。

最近では、小中高大、そして企業でもSDGsが流行っていて、まずはじめに社会問題から何に取り組みたいかを考えさせる課題がとにかく多い。しかし、私自身はそれに違和感を覚えます。理想としては、自分のワクワクすることからやりたいことを探し、その過程で社会問題を見つけていく方がもっと本質的に自分が取り組めると思います。

自分のやりたいことの間に社会問題があるわけなので、もっと社会問題を自分ごととして見つめていける。以前、とある教員から、最近の子どもはワクワク、理想を持てていない、だからそういうアプローチは難しいと言われたこともあります。

その時はとても悔しかった。

ドリームハラスメント(※4)なんて言葉もあるくらいで、夢を持ちづらい世の中なんかもしれない。それでも、学校がワクワクや夢を語る練習をする場なんだよなと思います。だから、そういう機会を大人が奪うのはおかしい。

大沢:
夢、というと子どもたちにはピンとこない部分もあるのかもしれませんね。本人もそうなので、先生もアプローチが難しい。


島袋:
けっして難しく考える必要はないと思います。野球が好きなら野球から、ご飯が好きならご飯から、自分が目指す理想の社会はあるはずです。お嫁さんになりたい、ケーキ屋さんになりたい。そういう思いからきっかけをつかみ、それを伸ばしてあげるカリキュラムが大事だと思います。

こうした思いを伝えるためにも、教員の方にも訴えかけていきたいと思っています。

大沢:
SDGs自体が目的になってる風潮はどこか感じますよね。みことさんの言われる通り、自分自身にフォーカスすることの大切さを見失いがちです。

島袋:
自分も数年前までそうだったのでわかりますが、高校生に社会問題を考えろといっても興味がわきづらいんでよね。イヤイヤやるのは、先生も生徒も可哀想だと思いますし、余計に自分の意見を閉ざす人が増えることにもつながってくる。

大沢:
子どもたちも、興味をもって没入している状態は無意識なので捉えづらいですよね。だからこそ、色々な機会をつくり、それを感じやすい状況をつくるのが学校、そして保護者としては重要になりますね。

■SDGsウォッシュ(※3)
実態が伴わないのにSDGsに取り組んでいるように見せかけることを指す言葉。ウォッシュとは、1980年代に欧米を中心に使われていた、うわべだけ環境に配慮していると見せかけた企業を批判する「greenwash(グリーンウォッシュ)」という造語から来ている。

■ドリームハラスメント(※4)
言われた側に苦しみを生み出す、夢を持つことを薦める行為。実際、大人による以下のような行為がある。親や教師などの大人が、子供や学生に対し、悪気なく夢を持つよう薦めたり、
成功者を引き合いに出し、「彼らは夢があるから成功した」と暗に夢を抱くよう強制するなどがある。

心の豊かさを追い求めたい

島袋:
社会問題に取り組んでいるのは、もちろんそれ自体を解決したいからですが、それ以上に自分の興味や好きなことに気づいて「自分充実しているな」と思える人を増やしたいからなんです。

その手段として社会問題を活用して人前に出ている。環境活動家としてどうなんだ、というところもありますが、無理してスーパーでビニールを使わずに抱えながら荷物を持っている人を見ると、どうなのかなと思います。自分に出来る範囲でやる方が心は健康ですよね。

教育の場でも、社会貢献が大事と言われていますが、一番は自分や周りの人を大切にすること。その延長戦で、地球や動植物に優しいことができるのがいいのではないかと思います。

大沢:
おっしゃる通り、社会貢献もひとりひとり私はこう思うんです、という是々非々あっていいですよね。

島袋:
ひとりひとりが毎日充実していると思える心の豊かさを持てる社会にしたいですね。私は環境問題活動家として、様々な企業や人と関わっていく中で、関わってくれた人が豊かになってほしいですし、地球に優しい環境づくりをしていきたいですね。

大沢:
最後に、みことさんが考える、心が豊かな状態とはどういうものか教えてください。

島袋:
高校生の頃に途上国に行って、物や選択肢がないと豊かではないと思ってました。でも、物や情報がありふれている日本は豊かか?と言われると、そうではない気がするんです。では、物や情報ではなく何が必要なのか。私は、”質の良い”情報、物、選択肢が重要だと思います。

人間て本能的に、本当に欲しい物を手に入れると他にもあれこれ欲しいと思ってしまうです。 パンをもらったらバター、ジュースをもらったらデザート、という具合に欲しいものがレベルアップする。本来はパンをもらった時点で豊かなはず。

大袈裟な話かもしれませんが、「持っていないもの」ではなく、「持っているもの」に目を向けること、これが心の健康、豊かさだと思いますね。まだまだ、自分自身もはっきりと言語化できていませんいい、これからも探し続けていきたいですね。

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大沢 彰裕
(株)weclip 共同代表。(株)日立製作所の鉄道部門でセールスやコンサルティングに従事する傍ら、教育支援会社であるweclipを創業。プランナーとして、スクスクのメディア運営など教育支援事業に従事。1児の父。