子どもたちに未来を切り拓く力を 〜プログラミング教育の可能性〜

子どものエネルギーを遊びから学びへ

大沢:
教室に実際に通われている子どもたちや保護者からはどんな評判でしょうか。

斎藤:
これからはより「個」を大切にする時代だと思いますので、横並び教育ではなく一人一人に合わせた教育をしていくことが重要です。CodeCampKIDSは一人一人の主体性を尊重していますので、そういった観点で保護者からも評価いただけていると感じています。

例えば、プログラミングを教える過程で、私たちから子どもたちに「●●を作りなさい」とか「△△しちゃいけない」とは言いません。知識やスキルをある程度教えたら、あとは「みんなが好きなものを作ろう」という考え方です。例えば「人に役立つものを作ろう」といったテーマを与えて、あとは子どもたちの自由な発想を大切にしながらプログラミングをしてもらっています。

クリエイティブな発想や、やりたいという想いを発散できるので、子どもたちからは「とにかく楽しい!」という声をたくさん頂いています。また、ゲームやパソコンが好きな子にとってはそれらのスキルが更に高まっていくので、子ども達自身の意思でスクールを辞めることはほとんどありません。

保護者様からは、ゲームやパソコンが好きというエネルギーを「遊び」だけでなく「学び」に向けられる点に大きな価値を感じていただいています。子どもたちはパソコンやタブレットをゲームやYouTubeを見る道具と思っているかもしれません。プログラミング学習では、ゲームを作る側になれるという創作性や、アイデアを形にして発信できるプレゼンテーションスキルを身につけることができます。そういった切り口からも、保護者の皆様に魅力を感じていただけていると思います。

大沢:
素晴らしいサービスですね!現在はこれだけの規模で展開されていますが、立ち上げ当時にはどんなことに苦労されましたか。

斎藤:
当時は子ども向けのプログラミングスクールはほとんど世の中に出ておらず一般的ではなかったので、当然ながら前例がありませんでした。ですので、立上げ当初は自分たちで考えては仮説検証を繰り返す、というトライ&エラーの日々でしたね。そもそもプログラミング教育のニーズがあるのかもわからなかった、というのが正直なところです。新規事業の立ち上げは挑戦の毎日でしたし、先の見えない不安もありましたのでかなり大変でした。

とにかくこのサービスを知っていただくために、イベントやコラボレーション企画を精力的に行いました。例えば、品川区のすまいるスクール(学童)へ訪問して、プログラミングの出張授業をしたり、企業とコラボによるイベントを実施して、プログラミングやCodeCampのことを発信していきました。

そうした地道な活動が実を結んで、スクールのフランチャイズ化や書籍の監修依頼などにつながりました。

未来を切り拓く力を育む

大沢:
CodeCampKIDSで大切にされていることを教えてください。

斎藤:
これからの時代、一般的に捉えられている「良い大学」や「良い会社」に入ったからといって順風満帆な人生が約束されているわけではなく、自分自身で未来を切り拓いていく必要があります。また、政府が提唱するSociety5.0にあるように、今後ITをもっと活用してより創造的な力を発揮することが求められると思っていまして、プログラミング、デザイン、テクノロジーなどが、ますます世の中を牽引していくと考えられます。

さらに、どんなことを学ぶにしても、子ども自身が未来を切り拓いていくために、社会課題とつながる学びをした方が良い。CodeCampKIDSではその点をとても大切にしていて、そもそも自分は何を作りたいのか、どう形にするのかなど、課題設定から解決方法に至るまでを子どもたち自身が考えます。

ですので、とにかく私たちはとことんサポート役に徹していまして「どんどん踏み台にして超えていってください」というメッセージを伝えています。子どもに「わからないから教えてほしい」と言われて、修正する箇所を教えることは容易いことです。でも、それは講師が楽をしているだけで、子どもにとって本当の意味での学びにつながりません。私たち講師はそこで答えを教えたくなるのをぐっとこらえて、子ども達の成長のために、根気強くサポートに徹しています。あくまでも主語は「子ども」なんです。

また、年齢関係なく個人にあったスピードで学習ができます。このような個別最適な学習を促しているので、その子のペースで学習できることも強みのひとつです。

違う教育のかたちがあってもいいのでは

大沢:
斎藤さんは教員ではなく、民間企業から教育界にアプローチされています。どうして民間企業の道を選んだのですか。

斎藤:
振り返ってまず頭に思い浮かぶのは、自分が小中高と受けてきた教育における原体験です。ざっくりとお伝えすると、「教育とは果たして本当にこれでいいのだろうか?」という疑問を抱きながら過ごしてきた、という感じです。

私は新潟県新発田市という比較的小さな町で生まれ育ちました。地元では勉強も運動も自信があった一方で、「自分はもっとできるんだ!、もっと自分にあった勉強内容があるはずだ!」と、どこか斜に構えたところもありました。

それから、母子家庭で経済的に余裕がある方ではなかったので、習いたいことが習えなかったり、行きたい学校に行けなかったという経験もあります。いわゆる経済格差からくる教育格差に対しても疑問を感じていましたね。一方で兄と私を育ててくれた母は一番尊敬する存在です。

そして、最も強い理由としては、大学時代の教育実習を通して感じた学校以外の教育への想いです。学校での勉強も当然大切ですが、それ以上に大事なことがあるのではないか、と思っていました。例えば、正解のない時代をたくましく生きる力を会得すること、などです。人生経験の少ない私では、まだまだ教えられることが少ないなと思いました。と同時に、教育を変えていかないといけないし、違う教育のかたちがあっていいだろうと思うようになりました。

大沢:
自分自身を見つめ直した結果、教員とは違う道を歩みたいと思ったんですね。

斎藤:
それも、自分自身のキャリア教育不足ということもあるかもしれませんね。

大学に入った時は知ってる職業なんて、サラリーマンか学校の先生くらいしかイメージが湧きませんでした。教員免許を取得しようと思ったのも、せっかくチャンスがあるなら、とか最初のきっかけは軽い気持ちもありました。ただ、実際に実習に行ったことで、自分のやりたいことにも気づくことができ、学校外の教育で挑戦したいなと思うようになりました。

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大沢 彰裕
(株)weclip 共同代表。(株)日立製作所の鉄道部門でセールスやコンサルティングに従事する傍ら、教育支援会社であるweclipを創業。プランナーとして、スクスクのメディア運営など教育支援事業に従事。1児の父。