子どもたちに未来を切り拓く力を 〜プログラミング教育の可能性〜

大人も子どもも同じ目線で学ぶ

大沢:
これまでも少し触れてもらっていますが、斎藤さんご自身の教育観を教えていただけますか。

斎藤:
「学びの主体は子ども」であること、そして「個別最適な学習」、この2つを私は大切にしています。あわせて、学びは強制されるものではなく、楽しさのなかにこそ学びの本質があると思っているので、プログラミングをやりたい、という子どもの気持ちを大切にしています。好きであればもっと伸びるし、やりなさい!と言わなくとも自走していきますからね。

また、プログラミングやクリエイティブなことは必ずしも大人が長けているとは限りません。私自身も「俺が教えてあげる」ではなくて、子どもの発想や意欲は断然私より高いので、大人と同じ目線で学んでいき、大人を超えていってほしいと思っています。だからこそ、教えすぎないですし、教えられないと考えています。

大沢:
私たち子育て世代は、1から10まで教えるのが教育だと思い込んでいる節があるかもしれませんね。

斎藤:
お伝えしたいのは、子どもたちは自分で自分の可能性には気付きづらいですし、限界を決めてしまいがちということです。そんなことは全然なくて、子どもたち一人一人が可能性に満ちていると常日頃思っています。だから「めんどくさい」「やりたくない」「俺の偏差値はこの辺だし・・・」という風に諦めてほしくない。

まだまだものすごい可能性を秘めているので、いろんなことにチャレンジして欲しいし、広い世界を見たり聞いたり体験してほしいと思います。小学生にも、スーパープログラマーもいるし、起業して商品をプロデュースしている人もいますし、可能性は広がっています。そういったことを保護者は知っておかなければなりませんし、しっかりと子どもを導いてあげてほしいと思っています。

大沢:
そうした可能性や夢を持ちづらいのはその通りだと思いますし、その時点の夢に縛られ過ぎるのも本末転倒ですよね。無理して抱く夢にも違和感を感じます。

斎藤:
たしかに、現段階で将来何になりたいの?と問い過ぎると、かえって子どもたちに制限をかけてしまう可能性はあります。プログラミングに関しても、もちろんハイレベルな学習を望む子どもたちには応えてあげますが、必ずしも全員には子どもたちに専門的な開発言語を教える必要はないと思っています。技術の進展は早いですから、10年後はその言語が使われていない可能性もあるし、極端な話今ある仕事で未来にないものもあるかもしれないですからね。

正解がない学びの中で、自分が何をしたいのかを常に考え続けていく。そして、それは小さければ小さい頃からの方がいい、そういう想いから徐々に若年層と接する職へキャリアを変えていきました。

小さい頃から多くの大人、価値観に触れた方がいい

大沢:
斎藤さんは現職の前は元々何をされていたのですか?

斎藤:
新卒で入社したのは、採用コンサルティング会社で、中堅・ベンチャー企業の経営支援や、業務の中で大学生と就きたい仕事や会社選択などについてサポートしていました。そうすると学生からは、大企業や福利厚生の良い会社に行きたいという声をよく聞きます。「本当にそれでいいんだっけ、君のやりたいことはどこにあるんだっけ」と心の中では思いながら対応していましたね。

その次は、医療系大学の職員として働いていました。大学生とも接しますし、中高生の進路選択のシーンで学生と接していました。高校生が大学を選ぶ際にも、国家試験の合格率や面倒見がいいとか、そういう希望が多いのが実情です。そもそも医療系大学に行きたい理由を明確にできてない人も多いんですね。

やはりこうした体験からも、もう少し前からキャリアに目を向けるべきと考え、今の仕事をしていますし、早い段階からのキャリア教育にはとても関心があります。たらればですが、国語、算数といった学科以外の様々なことを教わっていたら、もっと違う経験もできて自信が持てたかもしれません。多くの大人にもっと早く出会い、多様な価値観に触れるべきではと思います。

大沢:
おっしゃる通りですね。学校教育も変わってきていてキャリア教育に力を入れていますが、もっとより多くの大人が協力し合えると良いですよね。

斎藤:
本当にそう思います。さらに、私の生まれ育った新潟県新発田市ではそれができる可能性が少なかった。東京でできていることも、地方に行けば行くほどやりづらくなることもあります。

大沢:
GIGAスクール構想によって、学校にもインターネットやタブレットなどのインフラが整備されました。そういったICTを活用して、子どもの可能性を爆発させたいですよね。

斎藤:
そうですね。くわえて、できるだけ幼い頃からキャリア教育にも触れてもらいたいと思っています。それは、まだ今の学校教育では、どうしても正解がある学びが優先されてしまうような環境だと思っているからです。子どもたちが生きる力を養うためにも、基礎学力は必要なのでそれ自体を否定しているわけではありません。ですが、そういう「正解」を求めるマインドが形成されやすい環境かな、と感じる場面があります。

スクールに参加したある児童が「先生これであってますか?」とか「これ作ってみてもいいですか?」とよく聞いてくるんです。何も考えずにイエスというので、聞かなくていいよと伝えています。こうした児童は、いわゆる学校ではよくできる子にその傾向が強いと思います。何でも好き勝手すればいい、というわけではないですが、こういったシーンに出くわすと考えてしまいますね。

人とのつながりを大切にし、新たな価値を創り続けたい

大沢:
最後に、今後斎藤さんはどのような仕事をしていきたいですか。

斎藤:
CodeCampKIDSにフォーカスすると、高校でも今年度からプログラミング教育が必修になり、よりハイレベル化、多様化していくことが予想されます。そういったニーズにしっかり対応できるサービスにしていくとともに、引き続きプログラミング教育の普及に務めていきたいと思います。

私個人に関しては、今後も人に関わる仕事を続けていき、未来を切り拓いていきたいですし、そのために自分自身もアップデートし続けたいと思います。そのなかでも教育の仕事は続けていきたいですね。今やっていることも素敵な仕事ですが、もっといい教育は無限にあると思いますので、それを突き詰めていきたいです。

また、個人的には、新たな価値や新しいソリューションを創っていくのが好きなので、そうした領域をやり続けていきたいです。プログラミング教育も、当時はやっている人がほとんどいないところから立ち上げてきましたので、同様にまだ世の中に無いものを生み出していく仕事ができるといいですね。

時代も刻々と変わっていきますので、10年後にはまったく別な教育が必要になるかもしれません。そういったニーズをとらえて、新しい教育を模索していきたい。お金のことや、起業家精神とか生き方のこと。何が必要なのかを考えながら、教育の世界で自分のキャリアを模索していきたいですね。

最後に、改めて人と人とのつながりは素晴らしいなと思います。プログラミング教育というまだ見ぬ領域を一緒に開拓してくれた仲間や、フランチャイズパートナーの方は、いつでもチャレンジングで本当に尊敬すべき方々ばかりです。そういった方の恩に少しでも報いていければと思います。

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大沢 彰裕
(株)weclip 共同代表。(株)日立製作所の鉄道部門でセールスやコンサルティングに従事する傍ら、教育支援会社であるweclipを創業。プランナーとして、スクスクのメディア運営など教育支援事業に従事。1児の父。