【キャリア】夢を追い続ける力を育む 〜私自身が最大の教育環境〜

教育 × 農業、時間講師という働き方

辰野:
こうして教師をしながら、ボランティアで農園の運営をしていく中でいろいろと考えるようになりました。「なぜ、この現場を教育で地元は活かさないのだろうか?」と。そこで、次年度より「教育と農業」を掛け合わせた教育がしたいと思い、「時間講師」という立場をあえて選び、二足の草鞋生活になりました。

いわき市はとても自然豊かな環境で、子どもたちが自然の中で遊びながら学べる場所が沢山あります。そういった自然環境を活かし教育と農業を掛け合わせることで、これまでと違った教育機会を子どもたちに提供できるのでは?と思ったからです。

それから、時間講師に興味を持ったもう一つの理由は、敢えて担任を外れることでこれまでとは違う時間の使い方ができると思ったからです。

もちろん担任の先生として最前線の現場で働きたい思いも強かったのですが、担任では生活指導や事務作業など授業準備以外のことも忙しく、本当にやりたい事がやりづらい実情もあります。そのため、時間講師として働くことで自分にしかできない学びの機会を提供してあげたいと思うようになったんです。

そこから英語の先生であり農園オーナーの方とブルーベリー農園を二人三脚で運営していきました。その方と2年間共に農園を作ってきましたが、その方の年齢的なことやご家族のいる地元へ帰るということになり、ブルーベリー農園の後継者探しが始まりました。

結果、いわきの地元の会社にバックアップをしてもらい、農園はその会社に譲りましたが、今は私がブルーベリーファーム『チャコちゃん農園』の運営責任者として携わらせて頂いています。

前オーナーの方がいた時からちょくちょくと教育に関連するイベント・ワークショップを企画し取り組んでいましたが、その学びを続けたいと思い様々な取り組みを今年度も行っています。

チャコちゃん農園で開催した田植えワークショプの様子

現在の学校の子どもだけでなく以前勤めた学校の子どもたちも農園に誘って、農業体験をしたりSNSを活用して様々なワークショップをやっています。例えば「コットンプロジェクト」というワークショップでは、綿から服が作られる過程を実際に子どもたちにも体験してもらっています。

大沢:
本当にいろんな取り組みを実践されているますが、どうしてそこまで沢山のことに取り組まれているのですか。

辰野:
まず、私自身好奇心がとても強いので何事もやってみたいというのがあります。子どもたちの視点に立つと、新型コロナにより学校で体験・経験できる機会が圧倒的に減ってしまっています。致し方ないところもあるのですが、それでも私自身この状況に違和感を感じていて、学校はもっと自由であるべきで今は可能性が潰されてしまっていると思ったんです。

だったら、自分自身が学校外でそうした体験・学び作りをやればいいや、という想いですね。

チャコちゃん農園に来た教え子と子どもたち

農園には不登校でフリースクールに通う子どもたちも来て一緒に農作業を手伝ってもらっています。子どもたちが楽しく過ごせることで、子ども本来の力を引き出させてあげたいですね。この活動に携わってくれた子たちが、自分たちの畑を作るようにもなっていて嬉しい限りです。

こうした農業から食育につなげたり、農園を別な用途にも活用しています。たとえば絵本セラピーをやったりしています。農家のビニールハウスのなかで、絵本セラピストさんを招待してパネルシアターをしたり、本にそのまま没頭してもらったりしていますね。

チャコちゃん農園で開催した親子での絵本会の様子

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大沢 彰裕
(株)weclip 共同代表。(株)日立製作所の鉄道部門でセールスやコンサルティングに従事する傍ら、教育支援会社であるweclipを創業。プランナーとして、スクスクのメディア運営など教育支援事業に従事。1児の父。